Kling AIの「FuzzyFuzzy」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.5

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。今回は、Kling AIのエフェクト機能「FuzzyFuzzy」に挑戦します。
実写画像で試す
まずは、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の実写画像で試します。
このエフェクトは、被写体をふわふわとした質感のぬいぐるみに変換してくれるようです。
1回目の生成では、元の画像の持つ青い髪色や赤と青の配色のジャケットといった特徴を捉えながらも、完全に異なる表現へと変化しました。写実的な人物写真から、愛らしい笑顔を持つぬいぐるみへと大変身しています。
特にオリジナル画像の青を基調としたカラーパレットを保ちながらも、髪色が明るい茶色になりました。さらに、ネイビーのボトムスと茶色の靴という新たな要素が加わり、子ども向けのキャラクター人形のような温かみのある出力結果となりました。表情は単純化されているものの、花の装飾が施された青いジャケットなど、元の衣装の特徴を捉えた細部へのこだわりも見られます。
「FuzzyFuzzy」という名前通りの、触り心地の良さそうなふわふわとした質感表現は非常に魅力的で、まるで実際の人形やぬいぐるみを写真撮影したかのようなリアルな立体感が印象的です。元の人物の雰囲気を残しつつも、全く新しいキャラクター性を付与する変換能力は驚くべきものがあります。
アニメ画像で試す
次は、アニメバージョンの「おむすびちゃん」で試します。青いボブヘアに黒のトップスというシンプルな特徴は共通していますが、アニメ風イラストならではの大きな瞳や繊細な髪の表現が特徴的な元画像です。
生成された結果を見ると、元のアニメキャラクターの持つ青い髪色は維持されており、より幼さや愛らしさが強調されたキャラクター性に変換されています。
また、アニメ絵の大きく輝く瞳は、ぬいぐるみらしいシンプルで可愛らしい目の表現へと変換され、頬のピンク色チークと相まって、思わず微笑んでしまうような親しみやすさを感じさせます。元画像の黒いトップスも、生成されたぬいぐるみではより立体的で実際に触れるような質感に変化しています。
注目すべきは背景との調和です。アニメ絵で描かれていた夜の街並みという設定はそのままに、実際のぬいぐるみを夜の街に置いて撮影したかのような自然な仕上がりになっています。照明効果や影の付け方も自然で、CGというよりも実際の撮影写真のような説得力を持っています。
3Dアバター画像で試す
続いて、おむすびちゃんのアバター画像で試します。青い髪に和風の衣装を着た3Dキャラクターが、頭の上におにぎりを乗せているユニークなデザインの元画像です。
生成結果を見ると、元のアバターの特徴的な要素がほぼ完全に保持されています。特に、頭上のおにぎりは形や質感までリアルに再現され、まるで実際に作られたぬいぐるみの頭飾りのような立体感を持っています。青い髪色も鮮やかに表現され、和風の青い着物と橙色の帯という服装の特徴も忠実に再現されています。
元のアバターがすでに3Dモデリングされていたこともあり、ぬいぐるみへの変換は非常に自然で違和感がありません。特に着物の柄や帯の結び目といった細部の表現まで丁寧に再現されており、実際に商品化されたキャラクターグッズのような完成度の高さを感じさせます。
目元と口元の表情は、より単純化されて愛らしさが強調された表現になっており、ぬいぐるみならではの親しみやすさが加わっています。足元の靴や靴下の細部も繊細に表現され、全体のバランスも非常に良く取れています。
「FuzzyFuzzy」エフェクトは、写真、イラスト、3Dモデルなど様々な形式の元画像から、一貫した可愛らしさとクオリティを持ったぬいぐるみ表現を生成することができました。この技術は、キャラクター商品開発の企画段階や、SNSマーケティング用のビジュアル制作、店舗やイベントの装飾ビジュアル生成など、多岐にわたる実用的なシーンでの活用が期待できるでしょう。
次回は、また新たなAI実験に挑戦します。
引き続き、お楽しみください。