Kling 1.6 Multi-Elements Editorで動画内のアイテムを交換|最新AIで実験 Vol.4

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。今回は、先日リリースされたKling 1.6「Multi-Elements Editor」機能を使って、画像要素の入れ替えに挑戦しました。
使用素材

今回の実験では、先日のVol.2で作成したAIインフルエンサー「おむすびちゃん」の香水ティザー動画と、画像生成したふわふわの毛並みが印象的な猫のぬいぐるみを使用しました。この素材を組み合わせることで、高級感のある香水広告の雰囲気を保ちながらも、ユーモアと意外性のある映像になるかを試してみます。
元となる動画は、おむすびちゃんが香水ボトルをじっくりと見て回し、最後にカメラを見つめるという流れです。このボトルをふわふわのぬいぐるみに置き換えることで、どのような変化が生まれるのか検証します。
出力結果
1回目の生成では、おむすびちゃんが手に持っていた香水ボトルが、ふわふわの猫のぬいぐるみに置き換わりました。動きのシーケンスは元の動画とほぼ同じように再現され、おむすびちゃんがぬいぐるみを見つめ、最後にカメラを見るという流れが自然に表現されています。
特に注目すべきは、ぬいぐるみの表情や質感がとても自然に表現されている点です。ぬいぐるみの目の部分が光を反射したり、毛並みが光の当たり方によって微妙に変化したりする様子が、まるで実際に撮影したかのように見えます。
しかし、この段階ではぬいぐるみのしっぽの部分が反映されませんでした。再度生成してみます。
完成作品
2回目の生成では、1回目の問題点を修正することに成功しました。ぬいぐるみのしっぽまでしっかりと映像に反映され、より完成度の高い結果が得られました。おむすびちゃんがぬいぐるみを回転させて見る動きに合わせて、ふわふわの毛並みが自然に動く様子が印象的です。
特筆すべきは、元の動画と同様に、最後のシーンでぬいぐるみにピントが合うように調整されている点です。これにより、おむすびちゃんがカメラを見つめながらも、手に持つぬいぐるみが画面の主役として強調される効果が生まれています。
Kling Kling 1.6「Multi-Elements Editor」は、既存の動画内の要素を高精度に置き換えることができました。特に今回のように、質感が全く異なるアイテム(硬いガラス製の香水ボトルと、ふわふわした柔らかい猫のぬいぐるみ)を入れ替える場合でも、違和感なく統合できる点が印象的です。
動きのシーケンスがそのまま保持されつつも、新しく挿入した要素の特性(今回の場合はふわふわとした質感やしっぽの部分)が自然に表現されており、単なる「切り貼り」ではない高度な映像生成技術が実現されています。
細部の調整が必要な場合でも、2回目の生成で改善が見られたことから、繰り返し生成を行うことで完成度を高められることも確認できました。この機能は、商品のバリエーション展開やA/Bテスト、季節やトレンドに合わせた映像のアップデートなどのクリエイティブシーンでの活用が期待できるでしょう。
次回は、また新たなAI実験に挑戦します。
引き続き、お楽しみください。