Higgsfield AIの「FLYING」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.23

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」のカメラエフェクトのひとつ、「FLYING」に挑戦しました。
「FLYING」エフェクトは、シーンを滑らかに滑空する飛行を再現し、ドローンで空を舞うような感覚を演出できるカメラモーションエフェクトです。壮大なシーンの披露、ダイナミックなトランジション、または自由と流れの感覚を創出するのに最適な効果として提供されています。
使用素材
今回使用したのは、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の幻想的な空中シーン画像です。夕焼けに染まる雲海の上をほうきに乗って滑空する姿が捉えられています。黒のレザージャケットにグリーンのフレアスカートという現代的な装いながら、魔女のようにほうきに跨る姿が独特の世界観を作り出しています。背景には山々の稜線と霞がかかった雲海、日没直前の太陽が配置され、空と雲の柔らかなグラデーションが神秘的な雰囲気を醸し出しています。

出力結果
初回生成では、空を飛ぶおむすびちゃんを捉える映像が完成しました。夕焼けに染まる空を背景に、ほうきに乗って滑空する彼女の姿は美しく、全体として幻想的なトーンが保たれています。
ただし、いくつかの課題も確認されました。カメラは滑らかに動いているものの、被写体の視線が進行方向とずれており、映像としての一体感に欠ける印象です。また、動きに対して身体のポジショニングに迷いが感じられるため、躍動感がやや弱くなっています。
完成作品
2回目の生成では、プロンプトを見直し、顔の向きを飛行の進行方向に修正し、カメラの滑空を活かしたよりダイナミックな演出構成、背景と被写体の調和によって「自由に空を翔ける感覚」を強調することを重視しました。この修正により、おむすびちゃんは滑空しながら、しっかりと空の先を見据え、視覚的にも感情的にも「飛んでいる体験」を共有してくれる存在として映像に収まっています。
「FLYING」エフェクトは、被写体のポーズと視線の方向が極めて重要であることが、今回の実験から明確になりました。単に背景が流れるだけでなく、「誰が、どこへ向かって飛んでいるのか」を映像で語ることで、初めて”感情”や”意味”が乗ってくることを実感しました。
この技術は、SNSでのビジュアルPRコンテンツ、世界観重視のミュージックビデオ、映像作品のオープニングシークエンス、ブランドストーリーテリングにおける象徴的表現など、幅広く活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。