Kling 2.0 Masterで涙の表現動画を生成|最新AIで実験 Vol.10

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、Kling 2.0 MasterのImage-to-Video機能を使って、静かな感情表現としての「涙」をテーマにした動画生成に挑戦しました。限られた時間の中でどこまで繊細な感情表現を再現できるか、その可能性を探ります。
使用素材

今回の実験では、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の静謐な表情を捉えた画像を使用しました。黒髪のボブカットに赤い口紅、青緑色の照明に照らされた繊細な表情が特徴的です。この静止画から、どのように感情の機微を表現した動きを生み出せるかに挑みました。
出力結果
初回の生成では、おむすびちゃんの目がわずかに潤んでいる表現は実現できたものの、実際に涙が流れる様子までは再現できませんでした。目の輝きや潤みは表現されているものの、涙の形成から流れ落ちる動的な表現には至らず、感情表現としてはやや物足りない結果となりました。
完成作品
より自然な涙の表現を目指し、プロンプトを調整して再度生成しました。その結果、おむすびちゃんがカメラをまっすぐ見つめながら、目が徐々に潤み、右目の下まぶたに一滴の涙が自然に形成され、頬に沿ってゆっくりと流れ落ちる様子を表現することができました。顔の自然な輪郭に沿って涙が流れる表現は、感情の動きをより効果的に伝えています。
Kling 2.0 Masterで画像から動画生成することで、、静止画から繊細な感情表現である「涙」の動的表現を生成することができました。解剖学的に正確な涙の形成と流れは、AIによる感情表現の可能性を示しています。涙という微細な液体の動きや、それに伴う光の反射など、これまで困難だった表現が可能になってきていることは、感情表現の幅を広げる上で大きな進歩と言えるでしょう。
このような技術は、映像作品での感情シーンの事前ビジュアライゼーションや、デジタルキャラクターの感情表現の幅を広げるなど、様々なクリエイティブワークでの活用が期待できます
次回は、また新たなAI実験に挑戦します。
引き続き、お楽しみください。