Kling 1.6 Multi-Elements Editorで動画内の人物を交換|最新AIで実験 Vol.11

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、Kling 1.6「Multi-Elements Editor」機能を使って、動画内の人物を交換することを試しました。動きや光のニュアンスをどこまで自然に維持できるか、3つの異なるシチュエーションで検証します。
検証1:崩壊する廃墟での人物交換
使用素材

今回の実験では、崩壊寸前の廃墟で天井が崩れ落ちるシーンを生成しました。アフリカ系の女性がグレーのタートルネックを着て、崩れ落ちる天井の破片を見上げながらも冷静に立っているというドラマチックな場面です。
この動画の人物部分を、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の画像で置き換えることで、Multi-Elements Editorの人物交換機能がどこまで動的なシーンに対応できるかを検証します。
出力結果
人物交換の結果、おむすびちゃんが廃墟の中で天井の破片を見上げているシーンが自然に再現されました。特筆すべきは、元の動画で女性が見せていた冷静さや上を見上げる動作が、おむすびちゃんの表情や姿勢でもしっかりと維持されている点です。
レザージャケットという元の動画と異なる服装でも、廃墟の環境や照明効果と違和感なく調和しています。崩れ落ちる破片と、それを見上げるおむすびちゃんの視線によって臨場感が保たれています。
比較動画
検証2:自然光でキャップを着用する人物交換
使用素材

出力結果
比較動画
検証3:水面反射のある空間での人物交換
使用素材

出力結果
比較動画
Kling 1.6「Multi-Elements Editor」の人物交換機能は、単なる顔の置き換えを超えた高度な技術力を示しました。廃墟の破片、キャップの影、水面の反射といった環境要素との相互作用まで、驚くほど自然に再現されています。
特に印象的だったのは、元の動画が持つ「雰囲気」や「感情」を、異なる人物でも忠実に維持できる点です。動的なシーンでも静的なシーンでも、人物の動きと環境の調和が保たれ、違和感のない合成が実現されました。
この技術は、キャスティングの事前検討、多言語版コンテンツの制作、バーチャルプロダクションなど、様々な現場での活用が期待できるでしょう。
次回は、また新たなAI実験に挑戦します。
引き続き、お楽しみください。