Higgsfield AIの「FPV Drone × Timelapse Landscape」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.18

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」のカメラモーションと風景表現を掛け合わせた 「FPV Drone × Timelapse Landscape」エフェクトに挑戦しました。
高速で滑らかなドローン視点と、雲や光の変化をタイムラプスのように描写することで、風景に時間の流れを詩的に刻む表現が可能になるエフェクト。今回はその機能を活かして、”止まった存在と流れる時間”をテーマに映像を生成しました。
使用素材
今回使用したのは、おむすびちゃんの後ろ姿の画像。山の頂に立ち、風に髪をなびかせながら、静かに広がる雲海を見つめています。カーゴパンツと軽量ジャケット、足元は厚めのハイキングブーツという、ラフな登山コーデ。背後には広大な空と山の稜線が広がり、タイムラプスの表現に最適な構図になっています。

出力結果
初回の生成では、山の稜線に立つおむすびちゃんを軸に、カメラが周囲を旋回する滑らかな動きが再現されていました。映像全体に広がる空と雲海、そして光の変化はタイムラプスの特徴を表現しており、風景の広がりや時間の経過を印象づける映像としてのベースは整っていました。
ただ、雲や光の変化に抑揚が少なく、時間が流れる演出としては単調な印象を与えてしまいます。被写体であるおむすびちゃんの立ち姿は安定しているものの、背景の演出力がやや弱く、映像全体の印象を平坦にしている点が課題です。プロンプトを調整し、再度生成を試みます。
完成作品
2回目の生成では、風景の変化と光の移り変わりに豊かな抑揚が加わり、一層詩的な表現に昇華しました。おむすびちゃんは静かに佇み続ける一方で、周囲の世界だけが流れるように変化し、まるで時間そのものが彼女を中心に動いているかのような印象を生み出しています。カメラが徐々に上昇する視点変化も加わり、初回を超える完成度の映像が実現しました。
「FPV Drone × Timelapse Landscape」エフェクトは、静止した被写体と変化する風景を対比させることで、時間の流れや空気感を映像化する非常に有効な手法だと実感しました。変化しない「点」と変化し続ける「面」の対比が生み出す詩的緊張感が、単なる風景映像を超えた表現へと昇華させます。おむすびちゃんを取り巻く自然の移り変わりは、私たちの日常でも感じる「変わらぬ自己」と「変わり続ける世界」の関係性を映し出しているようです。
この技術は、自然や都市を舞台にした静かな物語表現、詩的なミュージックビデオ、広告映像の導入シーンなど、幅広く活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。