Higgsfield AIの新機能「Start & End Frames」を試す – 異世界に切り替え|最新AIで実験 Vol.16

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」の「Start & End Frames」機能を活用して、静止画から”明確なストーリー性”を持つ映像表現に挑戦しました。
「Start & End Frames」は、開始と終了の画像を指定することで、動画の起承転結に方向性を与える新しい生成方法です。中間の映像がどう展開するかをコントロールでき、ストーリーテリングに深みをもたらします。
使用素材
今回のテーマは「読書から異世界にトリップ」。
スタートフレーム:図書館で本を読むおむすびちゃん。白ブラウスにネイビーのカーディガン、グレーのプリーツスカート、黒縁メガネという知的で落ち着いた装い。
エンドフレーム:魔法の森に転移したおむすびちゃん。紫と群青のローブ、金刺繍のディテール、光るキノコに囲まれた幻想的な風景が広がります。


出力結果
初回の生成では、図書館の静けさと温もりは自然に再現され、おむすびちゃんの読書姿勢もリアリティがありました。ただし、図書館から異世界への切り替えが唐突で、魔法の演出がやや弱い印象でした。また、カメラワークが単調なため、読書シーンへの没入感も物足りない感じがありました。
ブラッシュアップ
2回目の生成では、魔法演出や背景の異世界感は強化され、画面に奥行きが出てきました。しかし、読書からファンタジーへの移行を十分に表現できていないため、再度プロンプトを調整します。
完成作品
3回目の生成では、図書館内に差し込む柔らかな光が顔を照らし、読書に没頭する様子がしっかりと伝わってきます。異世界への変化は光の粒子から始まり、背景がふわっと溶けるようにスムーズに移行。背景の幻想的な世界は光の強弱や色彩も豊かで、感情的な余韻が残る映像に仕上がりました。
Higgsfield AIの「Start & End Frames」機能は、単なるビジュアル生成を超え、映像に明確な物語の流れと感情の動線を持たせる力を持っていました。今回のような「読書から異世界へ」という構成では、静止画ベースでありながらも明確な転換点と印象的なビジュアル変化を作り出せたことは大きな成果です。
この技術は、プロモーション動画の演出、キャラクター世界観の表現、教育・出版分野でのビジュアルコンテンツ制作などでの活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。