Higgsfield AIのカメラモーション「LEVITATION」を試す|最新AIで実験 Vol.13

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」のLEVITATION(浮遊)モーションにフォーカス。
空中をただようような動きや、空間との距離感、表現の繊細さをどこまで再現できるかを検証しました。
検証1:白ワンピースで夕方の欧州の街上を浮遊するシーン
使用素材
AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の画像。白いワンピースとローファーを身にまとい、石畳とレンガの建物が並ぶヨーロッパ風の街並みを眼下に、空中に浮かぶような構図です。夕方の柔らかい陽射しに包まれた、詩的で幻想的な一枚となっています。
この静止画に、Higgsfield AIの「LEVITATION」モーションを適用し、後ろ姿のままゆっくりと前方に浮かび進む自然な動きを生成します。

出力結果
初回の生成では、ドレスの柔らかい揺れが表現されており、全体として浮遊感は十分に伝わっていました。ただし、足元の動きと服の流れがやや不自然に分離している箇所があり、視覚的な一体感にわずかな違和感を感じました。また、街並みの奥行き(パース)が若干フラットに見える構図で、もう少し遠近の抜けがほしい印象です。
完成作品
プロンプトを調整して生成しました。ドレスの流れと身体の動きが自然に同期し、足の動きが加わったことで、風を受けて進んでいるような滑らかさが得られました。さらに、背景の建物群が遠方で霞むように描写されることで、空中から見下ろしている感覚とスケール感が向上しました。
検証2:黒いロングコート姿で都市上空を浮遊するシーン
使用素材
この画像にLEVITATIONモーションを適用し、都市の光を下方に眺めながら、ゆっくりと前方へ浮かび進む動きを生成しました。

出力結果
完成作品
Higgsfield AIのLEVITATIONモーションは、浮遊そのものの再現だけでなく、その空間にいる感覚や、移動することで生まれる感情表現まで映像に取り込めるポテンシャルを持っていると感じました。白ワンピースの映像は「やさしく漂う気持ちの流れ」、黒コートの映像は「距離と孤独を内包した空中の移動」というように、同じモーションでも見せ方によって全く異なる表情を持たせることができました。
この技術は、ファッションビジュアル、MVライクな映像制作、静かな世界観を持つインスタレーションなどでの活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。