PixVerseの「猛虎のハグ」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.26

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、PixVerseの「猛虎のハグ」エフェクトに挑戦します。動画生成AIのPixVerseはV4.5がリリースされ、20以上のシネマティックカメラコントロール、複数の参照が可能となり、複雑な動きをよりスムーズに処理できるようになりました。
「猛虎のハグ」エフェクトは、大きな虎が突然現れ、親しげに被写体を抱きしめるという、画像を用意するだけで、5秒のファンタジームービーを生成してくれる新エフェクトです。後ろから虎が出現し、肩に前脚を回して頬を寄せる動きが特徴で、被写体の顔や髪を保ちつつ、体幹は自動でなじませてくれます。
使用素材
今回使用したのは、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の2種類のポーズで検証を行いました。1枚目はやや斜めを向くポートレートで、虎が抱き寄せたときの頬寄せが映えるように選びました。2枚目はカメラに正面を向いたポートレートで、正面から両腕でしっかりと抱きしめられる様子の効果を検証するためのものです。


出力結果
斜め向きの素材と正面向きの素材、それぞれから生成された動画を見ていきましょう。
斜め向きの素材から生成された動画では、虎が背後から現れ、おむすびちゃんに寄り添うように頬を寄せています。最終的には、虎の顔とおむすびちゃんの顔が寄り添う親密な構図で終わり、まるで長年の友達のような温かみのある一体感が演出されています。虎の毛並みの質感や表情が細部まで表現され、光の反射も自然で、森の緑を背景にした柔らかな雰囲気が印象的です。情緒的な深みがあり、物語性を感じさせる演出になっています。
一方、正面向きの素材から生成された動画では、虎が背後から現れ、両腕でおむすびちゃんを包み込むように抱きしめます。動画の最後には、虎がおむすびちゃんの肩にしっかりと顎を乗せ、まるで守護獣のように寄り添う姿で終わります。虎の爪や模様の鮮明さ、毛並みの質感が表現され、赤いトップスを着たおむすびちゃんと虎の豊かなオレンジの毛並みが互いの色味を引き立て合い、視覚的に調和した画面構成となっています。森の背景の木々のシルエットが深みを加え、全体として神秘的で温かい雰囲気が漂っています。保護と癒しのイメージが強く、視覚的なインパクトと感情的な訴求力を兼ね備えています。
「猛虎のハグ」エフェクトの優れた点は、たった1枚の静止画から、虎と人物が実際に触れ合っているような立体的な短編映像を簡単に作れることにあります。特に注目すべきは、人物のポーズや角度に合わせて、虎が自然な方法で抱きしめる動きが変化する点です。斜め向きの写真からは頬寄せするような親密な映像が、正面向きの写真からは包み込むような保護的な映像が自動生成されるなど、PixVerseの高度なAI技術がシーンに合った自然な演出を可能にしています。
この技術は、「猛獣と仲良し」という一目で引きが取れるショート広告などのブランドPR、推しキャラと幻想動物を組み合わせたVTuberやキャラクターのコンテンツ制作、来場者写真をその場で虎ハグ動画に変換してSNSでの拡散を促進するイベント演出、親しみやすい猛獣を演出する教育・啓発活動など、幅広い用途で活用が期待できるでしょう。
次回も、PixVerseのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。