Higgsfield AIの「FLOOD」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.33

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」の新エフェクト「FLOOD」に挑戦しました。
「FLOOD」エフェクトは、「水は動きの力そのもの──広がり、上昇し、空間を支配する」をコンセプトに開発されています。画像に水の演出を加えることで、空間全体に静かに広がるダイナミックな変化を生み出します。人物の周囲に徐々に水が満ちていく映像が生成され、見る人に視覚的な没入感と緊張感をもたらします。
使用素材
今回使用したのは、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の屋内ポートレート写真です。無機質な室内の工業空間で、やや青みがかった照明の下、スポーティなネイビーのジャケットを着てバックパックを背負った姿が写されています。全体として静かな緊張感とアーバンな雰囲気を醸し出しています。

出力結果
生成された動画では、序盤は人物の静止した姿を強調する構図が続き、やがて背後の空間から水が広がり始めます。床面から這うように立ち上がる水は、光を柔らかく反射させながらゆっくりと広がり、人物の周囲を満たしていきます。水の流れはスローモーションのように滑らかで、粒子感のある演出が映像に重厚な質感を与えています。
背景の什器や照明、空間の明暗差は変わることなく、あくまで「水」だけが静かに侵食していく構図が保たれており、視聴者にある種の緊張感と没入感を与える表現となっています。
「FLOOD」エフェクトは、空間の印象を劇的に変容させる力を持ったテンプレートです。 登場人物が動かなくても、周囲の変化によってストーリーが立ち上がる構造は映像演出として非常に優秀で、特に「静」と「変化」の対比が重要なシーンに最適です。背景を変えることなく緊迫感や異質感を加える表現として、印象的なビジュアルを作り出す大きな可能性を感じました。
この技術は、ファッションビジュアルで静的なポートレートに「状況演出」を加えることで、ブランドの世界観やコンセプトをより印象的に表現できます。また、サバイバル系ストーリーやスリラー映画のトレーラー映像に緊迫感を演出する要素としても活用でき、幅広く活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。