Higgsfield AIのカメラモーション「ROBO ARM」を試す|最新AIで実験 Vol.47

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」のカメラモーション「ROBO ARM」を使った映像表現に挑戦しました。
「ROBO ARM」は、精密かつ高速なカメラワークを実現するモーションです。人間の手では捉えきれない一瞬の動きや、対象をなめらかに滑走するような視点移動を可能にし、シネマティックかつダイナミックなカメラ演出を生み出します。料理や製品、表情の変化などを強調したい場面に最適なエフェクトです。
使用素材
今回使用したのは、温かみのあるイタリアンレストランの店内で、スパゲッティを食べようとしているAIインフルエンサー「おむすびちゃん」のポートレート画像です。木のテーブルに置かれた白い皿の上で、トマトソースが絡んだパスタをフォークで巻き上げる瞬間を捉えています。背景にはぼんやりと灯る照明と、奥行きを感じさせる店内の空間が広がっており、日常の一コマに親密な静けさが漂います。

出力結果
生成された動画は、テーブル越しにカメラが彼女を捉えるシーンから始まります。フォークでパスタを巻き上げた瞬間をとらえた静かな冒頭に対し、中盤ではカメラが滑らかに側面へスライドし、皿の上のトマトソースの質感や麺の流れにフォーカスします。終盤は再び彼女の表情に寄っていき、柔らかな視線が印象的な、落ち着いた余韻を残して映像が締めくくられます。
全体を通して、素早く正確なカメラワークが展開にテンポを与え、食の動作と人物の魅力を一体化させたダイナミックなシーンに仕上がっています。映像に滑らかさと緊張感が同居し、まるで映画のワンカットのような没入体験を生み出しました。
ROBO ARMは、食事という日常的な行為の中に、物語的な深みや視線誘導の意図を加えることができる非常に有効なエフェクトです。カメラの巧みな動きが、料理の質感や人物の存在感を立体的に浮かび上がらせ、映像にリアル以上の没入感をもたらします。
この技術は、フードムービーや飲食プロモーション、プロダクト映像、さらにはSNS向けの“短尺ストーリー”としても十分に応用可能です。商品紹介と人物描写を一つの映像の中で融合させる演出として、幅広く活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。