Higgsfield AIの「FLOATING FISH」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.37

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」の新エフェクト「FLOATING FISH」に挑戦しました。
「FLOATING FISH」は、淡い青色の魚がフレームの外からゆっくり泳ぎ込み、被写体の周囲を優雅に漂うエフェクトです。空間を水中のように演出し、視覚的に柔らかく幻想的な変化を加えることができます。魚たちは重力のない世界を泳ぐように浮遊し、人物の存在感を際立たせながら、まるで“透明な水槽”の中にいるような雰囲気を作り出します。
使用素材
今回使用したのは、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」のポートレート画像です。舞台は、日本庭園の苔むした池のほとり。カジュアルな着物をまとったおむすびちゃんが、静かにこちらを見つめる構図で、背景には石灯籠や苔、柔らかな夕暮れの光が広がっています。

出力結果
生成された動画では、画面の端から淡いブルーの魚たちが現れ、おむすびちゃんのまわりを優雅に漂いはじめます。魚の動きは非常に滑らかで、背景の苔や石灯籠と対照的に流動性を持ち、映像全体に“水中にいるような空気感”を生み出しています。
「FLOATING FISH」エフェクトは、被写体に直接手を加えることなく、空間だけを詩的に変容させることが可能な演出です。動かない人物が中心にいながら、魚という“動きの粒子”によって周囲が生き物のように呼吸し始める。今回のように静謐な和風シーンでは、過剰な演出は不要。控えめな動きと自然光の中にこそ、映像の余白と美しさが生まれることを実感しました。
この技術は、静的なビジュアルに“動的な情緒”を加える演出として、ファッション、広告、アート映像などに活用できるだけでなく、時間の流れや心の動きを“静”のまま描写する文学的映像や展示空間の演出、さらにはインスタレーションアートやXR体験の一部として“浮遊感”や“夢のような視覚”を取り入れる用途など幅広く活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。