Higgsfield AIのカメラモーション「360 ORBIT × ZOOM IN」を試す|最新AIで実験 Vol.41

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、AIプラットフォーム「Higgsfield AI」のカメラモーション「360 ORBIT」と「ZOOM IN」を組み合わせてみました。
「360 ORBIT」はカメラが被写体の周囲を滑らかに回転することでダイナミックかつ没入感のある視点を生み出し、ドラマチックな演出や衣装の披露、視覚的なエネルギーを加えるのに最適です。一方、「ZOOM IN」は被写体に徐々に近づくことで注目を集め、緊張感や感情的な高まりを生み出します。ゆっくりと寄りながら被写体を強調し、映像に深みを加える効果があります。
使用素材
今回使用したのは、AIインフルエンサー「おむすびちゃん」のポートレート画像です。舞台は赤提灯が並ぶ和風の路地。おむすびちゃんはダークカラーの着物風セットアップに身を包み、刀を携えて横を向く構図で、強い視線と静かな緊張感を湛えています。

出力結果
生成された動画では、冒頭から視点が被写体の周囲を滑らかに回転し、赤提灯の揺らぎや路地の奥行きを立体的に見せます。カメラの動きによって、着物の刺繍や刀のシルエットがドラマチックに浮かび上がり、周囲の和風空間が生き生きと映し出されました。
その後のZOOM INは、明確な寄りの効果というよりも、カメラの視野角を微かに変化させる形で実装されています。そのため、「被写体に急に近づく」というよりは「視界が緩やかに絞られる」ような印象です。はっきりとしたズーム感は強調されないものの、360 ORBITとの一体感を損なうことなく、自然な没入感と動的なリズムを映像に与えています。背景の灯りが徐々にぼけることで、視線は最後におむすびちゃんの表情へと誘導され、静かな緊張感が引き立ちました。
カメラモーション「360 ORBIT×ZOOM IN」の組み合わせは、まず被写体の周囲を一周して世界観を立体的に見せ、その後にわずかな視野角の変化で視線を絞り込む構成です。こうして静止した被写体に自然な動きを与えつつ、最後には表情にフォーカスを移すことで、映像への没入感とエモーショナルな余韻を生み出しました。
この技術は、ファッションブランドのルックブックやプロモーション映像、映画やドラマのキャラクター紹介シーン、展示会やインスタレーションのイントロ映像など、幅広く活用が期待できるでしょう。
今後も、Higgsfield AIのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。