PixVerseの「どこでもひと眠り」エフェクトを試す|最新AIで実験 Vol.28

AI CREATIVE BASEが探求する最新の生成AIツールや機能を試す実験シリーズ。完成作品だけでなく、試行錯誤の過程も包み隠さず公開します。クリエイターの視点でAIツールの可能性を探り、その実用性と表現の幅を検証していきます。
今回は、PixVerseの「どこでもひと眠り」エフェクトに挑戦します。テンプレートのキャッチフレーズは「ゆっくり休んでね、友よ」。画像を用意するだけで、被写体がふと眠りに落ちる5秒ほどのミニムービーに変換してくれる機能です。首のコクリ、まぶたの動きなどの微細なモーションを自動で付与し、枕が生成される場合があります。
シチュエーション:カフェでPC作業
使用素材
AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の午後のカフェでの作業シーンです。窓際でノートPCを前にマグカップを手にした半身ポートレートで、自然光が髪にハイライトを落とし、作業しながらも少し疲れのにじむ表情を見せています。

出力結果
2秒ほどで瞬きが重くなり、肩がゆっくりと落ちると同時に真っ白な枕が画面左からスッとフェードインします。そして、頭がその枕にそっと沈んでいきます。枕は質感のある布地でレンダリングされ、陰影も被写体と綺麗に整合していました。まさに「どこでもひと眠り」を体現するコミカルな仕上がりです。
シチュエーション:ソファに座ってリラックス
使用素材
AIインフルエンサー「おむすびちゃん」の夕方の斜光が差し込むリビングでのシーンです。ソファに深く腰掛け、カメラを見つめるポートレートで、柔らかなベージュのニットが影のグラデーションを際立たせています。

出力結果
瞼が重く閉じていきます。このシーンでは枕の生成は行われず、おむすびちゃんは背もたれに身体を預けたまま首を傾けて自然に眠りに落ちました。夕陽のハイライトが髪と頬を静かに滑っていきます。テンプレートは枕を出さず、元の環境光を保ったまま「ソファでうたた寝」というリアル寄りの演出を選択したようです。安らぎを感じさせるトーンにまとまっています。
「どこでもひと眠り」エフェクトは、たった1枚の画像を数秒の「寝落ちシネマ」に変える手軽なツールです。アップロードした画像に応じて枕を生成するか否か、頭の角度をどの程度動かすかといった細部が自動で最適化されるため、シリアスにもコミカルにも対応できる柔軟性を備えています。また、髪や衣服に与えられる微細な流体モーションとライティングの調和により、短尺ながら「空気の流れ」まで感じられる映像に仕上がる点が印象的でした。
この技術は、カフェチェーンのリラックス訴求リール、睡眠グッズやルームウェアのプロモーション、VTuberやキャラクターの日常ショート動画、学習塾・図書館の静かなブランディング映像など、幅広い用途での活用が期待できるでしょう。
次回も、PixVerseのポテンシャルを探っていきます。
引き続き、お楽しみください。